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ヤブヤンマは池をすみかとする裏ヤンマだが、このコシボソヤンマは川をすみかとする裏ヤンマだ。
棲息地は流れが緩やかで木陰のある幅数メートルの川・・・昔、子供が鮒やドジョウを捕まえて遊んでいたような川だ。こんな川はことごとく整備されたり、ドブ川と化して、さぞ住みづらくなっていることだろう。
盛夏の頃現れるが、昼間は薮の中に潜み、朝夕に出没するので、やはり、人目に触れることは少ない。
地色が濃褐色で、腰が極端にくびれ、節に沿って黄色の縞模様が入る大型のヤンマ。なぜか僕はこのトンボのオスからコンコルドを連想してしまうのだが、メスは、より色合いが薄くすっかり光を拒絶した深海魚のイメージさえある。 オスは、メスが好んで産卵しそうな場所ばかり、丹念に探しながら川を往復し、時には数メートルの範囲をひたすら往復していることがある。メスは、なるべくオスに見つからないように産卵するが、時々鉢合わせになってしまう。メスが先に気づけば一目散に逃げるが、オスに先に気づかれるとたちまち捕まって、連れ去られてしまう。初めて巡り会った産卵写真のチャンスは、メスが連れ去られて逃してしまい、大変悔しい思いをした。
岩に産卵しているメスを見つけ近寄ったら、いきなり顔に飛びつかれ、鼻の下に産卵されそうになったことがある。僕は、そんなに岩みたいな顔をしているのだろうか・・・・・・・。
♂ 2010.8
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