コオニヤンマ
名前の割には非常に大きなトンボで、サナエのくせにヤンマと名乗っている。 大体「コの付くトンボが日本で二番目に大きい」というのはどうも解せない。 おまけに非常な大食漢で、何でも手当たり次第食らいつく。モンシロチョウ等を執拗に追いかけているのをよく目にするが、巣にしているあたりの草むらには、餌食となったトンボやチョウの羽が散らばっていることもある。
子供の頃は、毎年夏に家族で温泉などに出かけたものだが、ある年の夏、越後湯沢のナカヤホテルに滞在した。確かそこでのことだったと思う。散歩をしていた道端に、オニヤンマに似た大きなトンボが沢山止まっていた。父や祖父が止まっているトンボの背後から両手を伸ばして羽をつかんで採ろうとしてくれたが、どれもすんでの所で逃げられて、結局一匹も採れなかった。
昔のことなので殆ど覚えていないが、それらすべて道ばたの草木に止まっていたことからすると、ヤンマやオニヤンマとは考えにくい。よく止まる大きなトンボといえば、本種のことが真っ先に思い浮かぶ。
