モノサシトンボ

物差しの目のような模様のある細長いトンボ。飛び方がのろのろしていて、貧弱な感じがする。実際ひ弱なようで、自分より小型なイトトンボの餌になってしまうこともあるという。
　薄暗い木立に囲まれた池や、ヨシの生い茂った沼地に生息し、初夏から秋口にかけて現れる。県内では秩父方面でかなり普通だが、平野部ではやや局地的。
　近い種類にグンバイトンボがいるが、こちらは全国的にも稀。東京の石神井、砧、善福寺などの湧水に生息していたといわれるが、これは数十年前の話だ。埼玉ではまだ未発見である。

　浜松に居た頃は、近くの薄暗い小川やカッパ池でよく見られたが、最初は、メスのことだけをモノサシトンボだと思っていた。オスのことは何だと思っていたかというと、足が青白く非常に目立っていたので、グンバイトンボだと思っていたのだ。尤も、その誤解は程なく解けた。